テレビデザインの基礎知識 18
TBCの調整
(SMPTEカラーバーによるTBC出力調整)

 話の内容が非常に技術的で難しくなってきましたが…。
TBC(タイムベースコレクタ)とは、基本的に映像信号のジッタ(時間軸変動)を安定した信号に修正するための装置です。
外付けタイプのモノもありますが、業務用VTRには内蔵されている場合が多いです。
 このTBCは他に「映像信号の出力補正」の機能ももっており、この機能をつかってテープの出力を基準にあった信号に調整できます。
 Betacamデッキの前面パネルを開くとTBCのツマミが現れます。ツマミが小さく操作しにくいので 頻繁に利用する場合は外付けタイプのリモコンを接続します。

※調整方法がよくわからない場合は、TBCのスイッチをすべて「PRESET」側にしておきます。この場合はメーカー側が設定したデフォルト値での出力になります。

BetacamSPデッキ
SONY PVW-2800

TBCリモートコントローラ
SONY BVR-50

 SMPTEカラーバーを使用したTBCの調整


 SET UP ツマミの調整
 0% Blackのラインが
 波形モニタの0%のラインに重なるようにツマミを調整

 VIDEO GAIN ツマミの調整
 100%Whiteのラインが
 波形モニタの100%のラインに重なるようにツマミを調整
 (75%Whiteのラインが75%の場所にくるように調整)

 CHROMA ツマミの調整
 100%Whiteのラインの下にある「帯の部分」の上端が
 波形モニタの100%のラインに重なるようにツマミを調整

 HUE ツマミの調整
 6つの「田」マークに各色の頂点が合うようにツマミを調整
 180度回転しても同じ形状になるので注意が必要
 →「Q」「-I」の線上にくるラインも合わせる

SMPTEカラーバー(75% 0%Setup)のポイント

【 波形モニタ 】
・カラーバーの一番左の明るいグレー →75%IRE
・「-I」と「+Q」に囲まれた白部分 →100%IRE
・Burst信号 →上端が+20%IRE 下端が-20%IRE
・Sync信号 →-40%IRE
・赤帯の下の「グレー3種類」→それぞれ-4%・0%・+4%IRE

【 ベクトルスコープ 】
・各色の頂点はできるだけ集中しているのが理想
・頂点を結ぶラインは直線が理想

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