テレビデザインの基礎知識 03
画面サイズとピクセル縦横比
(640×480・720×486・アスペクト比)

画面サイズとはテレビ画面がどれだけのピクセルで構成されているかを表すサイズです。
これまでは単純に640×480だと覚えればよかったのですが、
デジタルの規格の登場で、さまざまな画面サイズを使用することになってきました。

私が通常、作業で使用する主な画面サイズは以下の4つです。
640×480
正方形ピクセル <ピクセル縦横比1.0>
基本となるNTSC画面サイズ
4:3の比率が画面上で保たれるため、
レイアウトが把握しやすくデザイン作業時に使用される
720×486
長方形ピクセル <ピクセル縦横比0.9>
D-1(デジタル規格)の画面サイズ
デジタル規格の標準サイズとなっている
デジタル映像機器との相性が非常に良い
720×480
長方形ピクセル <ピクセル縦横比0.9>
DV(デジタルビデオ)の画面サイズ
民生DVで撮影された映像はこのサイズで記録されている
民生DVとのFirewireでのやりとりはこのサイズで行う
720×540
正方形ピクセル <ピクセル縦横比1.0>
D-1(デジタル規格)の制作用サイズ
「720:540」が「4:3」となり見た目の作業がしやすい
D1への最終出力の際に縦方向のみ90%すると「720×486」となる
どのサイズもテレビ画面に出力された場合、同じ4:3の画面を表すのですが、
パソコンの画面上で正円がきちんと正円に見えるのは
「640×480」と「720×540」の場合です。
他は横長に見えてしまうためデザイン作業には向きません。
AfterEffectsVer.5は設定で4:3に補正表示することができるようになりましたが
Photoshopでは「720×486」「720×480」は横長に表示されてしまいます。

コンポジションの設定で各種画面サイズがプリセットされています。
AfterEffectsのすばらしいところは、640×480(正方ピクセル)のコンポを
720×486(D1ピクセル)のコンポに内包させた場合、
アスペクト比をきちんと処理して画面をフィットさせてくれるところです。
そのため、デザイン作業を最終的な4:3比率で見える「640×480」で行い
「720×486」のコンポに内包(プリコンポーズ)したものを
レンダリングすることによって正しい画面サイズでレンダリングが可能です。
また、720×540(正方ピクセル)で作業して、
720×486(D1ピクセル)のコンポに内包させる場合は
「コマンド+Option+F」(Mac)のショートカットでフィットできます。

● コンポジション設定

● プリコンポーズしてレンダ

出力設定の伸縮で拡大縮小を行う方法だと
正しいアスペクト補正がかかりません
(なぜか縦方向にも伸縮をかけてしまいます!)
「出力設定での伸縮」は使用しないことをおすすめします。

● 出力設定

IMAGICA「映像用語辞典 五反田コレクション」
Panasonic「放送システム用語集」