AfterEffects Laboratory 基本編 09
白黒画像をアルファにする
(トラックマット・ストレートマットなし …)

今回は「トラックマット」についての解説です。
トラックマットとは簡単に言うと
「アルファチャンネルのやりくりをレイヤーでおこなえるモノ」です。
(各レイヤーの明るさやアルファチャンネルを参照します)
これを使用すると簡単に「RGB用の連番」と「アルファ用の白黒連番」をミックスできます。
3Dアプリで作成された別々の連番などからQuickTimeムービーにする場合や
文字の形やロゴマークでレイヤーを切り抜く場合、
エフェクトが適用されたレイヤーをプリコンポしないでマスク処理したい場合などに使用します。
また逆に、3Dアプリ用のテクスチャを作成する際などは
トラックマットを適用したコンポを「ストレートマットなし」でレンダリングすることで
アルファの処理がRGB側の映像に影響しないようにもできます。

※Photoshopにも「クリッピンググループ」という同様の機能があります。

 白黒画像の連番素材をアルファチャンネルにする
サンプルとして、炎の素材を使用した例を紹介します。
・全面が炎で覆われた素材(RGB用)、
・トーチが燃えるような白黒連番(アルファ用)
この2つの素材を「トラックマット」を使用して結合します。

※ 素材集:ARTBEATS「REEL FIRE」を使用



全面が炎で覆われた素材(RGB用)を用意します。
この素材にはアルファチャンネルはついていません。
<炎素材(RGB用)>
QuickTime 形式
(1013 KB)



トーチが燃えるような白黒連番(アルファ用)を用意します。
この素材にもアルファチャンネルはついていません。
<アルファ用素材>
QuickTime 形式
(373 KB)



STEP1とSTEP2のコンポを新規コンポにいれます。
白黒コンポが上になるようにレイヤーを重ねてください。

次に全面炎レイヤーの「トラックマット」の設定を
「ルミナンスマット」にします。
すると全面炎レイヤーのアルファチャンネルが作成されます。

ちなみに各設定の意味は以下の通りです。
■アルファマット
 →上のレイヤーのアルファを参照します
■アルファ反転マット
 →上のレイヤーのアルファを階調反転したモノを参照します
■ルミナンスマット
 →上のレイヤーの明るさを参照します
■ルミナンス反転マット
 →上のレイヤーの明るさを階調反転したモノを参照します

<トラックマット>
QuickTime 形式
(252 KB)
<ウインドウを見る>
トラックマット



レンダリングする際に、
「合成アルファ」の設定でレンダリングしてしまうと
RGB側の映像はSTEP3のような「合成された状態」になります。

これでは困るという人や、
単純に2つの連番をやりくりしたかっただけの人は
「ストレートマットなし」でレンダリングしてください。
この方法を使用することで、
RGB側がアルファの影響を受けることがなくなります。

※「ストレートマットなし」についてのさらに詳しい解説は
TV-DESIGN 基本編 15(フィル・キー納品)を参考にしてください
→ページを見る

<画像を見る>
レンダリング結果
(ストレートマットなし)

<設定を見る>
レンダ出力設定