テレビデザインの基礎知識 01
セーフティエリア
(テレフレ・安全フレーム・セーフティゾーン)

現行のテレビ受像機では画面の上下左右を切り取って表示する
「オーバースキャン」と呼ばれる方式を採用しているため、
デザイナーはこれを考慮して画面のレイアウトを行わなければなりません。
(テレビに限らず、ビデオテープに出力する場合も同じです)
とはいえ、どの部分がどのくらい切れてしまうのかは、
各テレビによって異なるので正確な枠の範囲設定はできないのが現状です。
そこで「セーフティエリア」という仮想領域を目安にして
画面のレイアウトを行っていく必要があります。
※セーフティエリアは「安全フレーム・テレフレ・セーフティゾーン」ともいいます。
※オーバースキャンの反対語は「アンダースキャン」です。
文字等を画面ギリギリにレイアウトしてしまうと隠れてしまう!

 セーフティエリアには大きく分けて2種類があります。
アクションセーフティ(動作範囲)

動くモノを認識させようとするならこの範囲内で…
※通常90%くらい内側の領域に設定します。
これより外側は必ず隠れてしまうと思ってよいでしょう!
タイトルセーフティ(タイトル範囲)

文字等を確実に読ませようとするならこの範囲内で…
表やグラフもこの範囲内で作成します。
※通常80%くらい内側の領域に設定します。
例えば、3DCGでフライングロゴを制作するような場合、
ロゴがアニメーションしている時は「アクション範囲」を超えないように制作し、
ロゴが静止して決まりきったときには「タイトル範囲」に収まるように制作します。

私個人的には通常85%を目安に画面のレイアウトを行っています。
IllustratorやPhotoshopでレイアウト作業を行う際の目安としては
「640×480」に対して「540×400」くらいが良いのではないでしょうか。
最近のテレビ(フラットテレビ等)は比較的外側まで見えるようになってきたため、
各テレビ局の画面レイアウトやテロップ位置を見ても、
セーフティエリアは少しずつ広がっている傾向にあるようです。

AfterEffectsには標準でセ−フティエリアを確認するボタンがついています。
また、セーフティの範囲設定は「編集>環境設定>ガイドグリッド」で行えます。

● コンポジションウインドウ

● 編集>環境設定>ガイドグリッド

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