テレビデザインの基礎知識 特別編 04
文字テロップのデザイン 4
(エッジ・シャドウ・エンボス・ザブトン)

 文字のコントラスト

文字を相手に読ませようとする場合「色の違い」で見せるのではなく
「明るさの違い」で見せるのが基本です。
(色の違いは補佐的に考えたほうが良いと思います)
背景と文字の「明度差」をいかにつくるかが腕の見せ所です。
また強調したい文字ほど この「明度差」を大きくしてやることで
より目立つようになります。
※週刊誌などの「電車中吊り広告」は非常に文字コントラストの勉強になります。

 Photoshopを使用した「明度差」確認方法
Photoshopのレイヤーモード「色相」使用すると、
自分が作成した画面にどれだけ「明度差」があるか確認できます。
  <1> 新規レイヤーを作成します
  <2> レイヤー最上段にもっていきます
  <3> 黒で塗りつぶします
  <4> レイヤーモードを「色相」にします
  <5> 目玉のオンオフで確認可能です
※この方法は輝度を基準にグレースケール化するので、
 調整レイヤー「色相彩度」を使用するより正確です。

 テロップ効果の基本

文字エフェクトは「明度差」を作り出す手法とも言えます。
効果を重ねるほど強調表現することになりますが、装飾しすぎにも注意が必要です。

 エッジ

これが一番簡単で確実に明度差を作り出す手法です。
明るい文字には暗いエッジを、暗い文字には明るいエッジをつければ認識性はアップします。
白エッジはとなりの文字と接するくらい太く設定するのが基本です。
また「赤文字で白エッジ」は強調表現する際に非常に有効です。

 ドロップシャドウ

ドロップシャドウも簡単で確実に明度差を作り出す手法です。
シャドウは右下に落とすのが基本ですが、稀に真下に落とすこともあります。
同じような手法として「シェイド」というのがあります
(シャドウをぼかさずに、文字側面を付ける手法)

 ザブトン(まるザブ・角ザブ・木ザブ…)

文字背景が変化してしまう場合は明度差を保つのが困難になるため
そこに平面を置くことによって文字が必ず読めるようになります。
また、これらザブトンを使用することで文字の読みの方向づけが可能です。

 エンボス(ふくらみ・へこみ)

ふくらみは基本的にドロップシャドウで表現しますが
へこみには、逆ドロップシャドウともいうべき手法を使います。
右下に白シャドウをつける場合と、左上に黒シャドウをつける場合があります。

 ハーフエリア(半透明ザブトン)

ザブトンの替わりに、キーを使用した半透明のエリアを使用したほうが
見栄えは良くなります。機能としてはザブトンと同じです。
アルファチャンネルの付け方1つで透け方が変わって見えてしまうので
上手く作成するためにはコツをつかむ必要があります。

 その他の表現

文字エフェクトにはほかにもいろいろな手法があります。
・背景ぼかし …背景とのピント差で読ませる
・文字の立体化 …3次元的造形物で見せることで強調する
・グロー …文字の点灯によって強調する
・アニメーション …人は動いているものに目がいきます。