テレビデザインの基礎知識 HDTV 01
HDTVの基礎知識
(デジタル放送・ハイビジョン・DTTB)

HDTV(High Definition TeleVision)とは一般的には「ハイビジョン」という名称で知られています。
最近ではハイビジョン対応のプラズマテレビや薄型液晶を目にすること多くなりました。
HDTV に対して現行方式をSDTV(Standard Definition TeleVision)と呼び、区別しています。
2000年12月にBSデジタル放送が、2003年12月に地上デジタル放送が開始され、
すでにHDTVでの映像制作は始まっています。
さらに、SDTV(現行のアナログ放送)は2011年に終了する予定となっているため、
今後はテレビ画面のデザインをするにあたって、HDTVの知識が不可欠になると思われます。

※地上デジタル放送(HD放送)「DTTB:Digital Terrestrial Television Broadcasting」
※地上アナログ放送(SD放送)「ATTB:Analog Terrestrial Television Broadcasting」

 デジタル放送のメリット・デメリット

<メリット>
デジタル化することで送信できる情報量が飛躍的に大きくなり、
高画質・高音質・多機能・多チャンネル化が可能になります。
すでに ハイビジョン画質で5.1chサラウンドのスポーツ中継も実現しており、
試合経過や選手名鑑はグラフィカルなデータ放送で確認することが可能です。
音楽プレイヤーやカメラ、ビデオテープなどがデジタル化したのと同様に、
放送のデジタル化は世界的な流れとなっています。
<デメリット>
開始直後は、視聴するための機器が高価であったり試聴可能な範囲が狭いこともあり、
デジタルでの視聴者は多くありません。また制作者側の機材やコスト面で問題が多く、
すべての番組でデジタル放送の良さを活かしたコンテンツを制作できないのも事実です。
HDTVを制作するためには これまでのSDTV環境では不十分で機材の更新が必要になりますし、
高画質になったことでCG等のレンダリング時間はこれまでの約6倍にもなってしまいます。

 デジタル放送のスケジュール

前述のとおりBSデジタル放送は2000年にすでに開始していますし、
地上デジタル放送も2004年12月から一部の地域で開始されています。
今後は試聴可能エリアが広がるとともに2011年の完全デジタル化に向けて
準備が進められることになります。

※現行のアナログテレビは2011年以降はテレビとしては使用できなくなります。

 サイマル放送とは

<サイマル放送とは>
デジタル放送が開始されても、開始当初は現行のアナログ放送しか受信できない視聴者が
大半を占めるので、2011年の完全デジタル化までの期間はアナログ放送とデジタル放送で
同じ時間に同じ番組を放送することになっています。これを「サイマル放送」と言います。
制作側はSDとHDの両方に同時に対応しなくてはならないので非常に問題になっています。
SDとHDの素材が混在し、それをさらにSDとHD放送用に2つ用意することになります。
画質と画角の2つの面で変換が行われることになるので、
制作者は それぞれの特徴と方法を十分に把握しておく必要があります。

HDTVや地上デジタル放送を解説をしているページは多く存在しています。
より詳細な情報を入手したい方は下記リンクをご覧ください。
【総務省 地上デジタル放送】
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/
【地上デジタル放送推進協会】
http://www.d-pa.org/
【社団法人 電子情報技術産業協会】
http://www.jeita.or.jp/
【NHK 地上デジタル放送】
http://www.nhk.or.jp/digital/
【おしえて!地上デジタル放送】中部地方
http://dttv.jp/
【ARIB 社団法人 電波産業会】
http://www.arib.or.jp/